鳳凰三山 地蔵岳   平成24年11月18日ー19日 TOP  BACK 

コースタイム
18日 御座石鉱泉7;05〜燕頭山10;15〜12;10鳳凰小屋
19日 
鳳凰小屋7;00〜地蔵山頂8;00〜8;30アカヌケ沢の頭〜9;45地蔵オペリスク10;10〜鳳凰小屋10:40〜燕頭山11;45〜13;40御座石鉱泉


ひっそりとした朝の
御座石鉱泉
11月18日 晴れ、風強い

先週の14日ー15日で鳳凰三山に行く予定が15日に用事が出来たため、遅れてしまった。ドンドコ沢を登って、鳳凰小屋にテン泊、翌日に地蔵岳ー観音岳の周回を計画していた。17日の土曜日に小屋に電話するとドンドコ沢は雪が深く難路となったので御座石鉱泉から尾根道を登った方がいいとアドバイスいただいた。日曜日の夜も小屋番さんが入ると聞き、テントもやめて小屋素泊まりに変更した。
前夜、出かける時は大雨でしたが天気予報は翌日、翌々日と天気が良くなるという予報を信じて高速に乗る。首都高が渋滞で途中の双葉サービスエリアで仮眠した。
 
韮崎ICで下りて国道20号に出る。桐沢橋で国道を折れて射撃場のところを通過した。青木鉱泉への案内に従うが見落としたところがあった。林道に入ると一部ダートになるがほぼ舗装された道で御座石鉱泉の駐車場に着いた。5台ほど停められていた。
鉱泉は営業していないのかひっそりとしていた。
いきなりの急坂をジグザグと登ると直ぐに汗が出てきてフリースを脱ぐ、しばらく登ると崩壊地の法面工事中のところを通過する。
八ヶ岳の裾に韮崎の街が広がる、七里岩といわれる台地が細長く延びているのが印象的な風景です。
八ヶ岳の雄大な姿を眺められた。旭嶽頂上という石柱が立つ峰を通過する。

法面工事
上から覗くと怖い
 
 
燕頭山は笹と
サルオガセと大木
崩壊地で富士山の頭が見えていたが逆光でぼんやりとしている、盆地の奥には大菩薩の小金沢連嶺が一望できる 。
雪はないが凍りついたところも見えてきた。2度ほど滑ったのでアイゼンをつけた。アイゼンがあると大胆に歩けるようになります。
足元に白い物が目立ってくると燕頭山に着きました。2人の青年が休憩中でアイゼンを持ってないのでここから戻るといっていた。
この時期、やっぱり用心にアイゼンは持った方がいいと思う。
山頂という感じはなく笹原にダケカンバ、シラビソの大木が立ついい雰囲気の広場です。
サルオガセの髭がトロロコンブでもぶら下がっているように見えて、奇妙な様相です。
急登もここまで、一端下ると、白ザレの崩壊地を通過するが梯子が半分崩壊し足場が凍っていて今回で一番注意が必要なところだった。


白ザレの崩壊地
 
 
樹間より地蔵岳を見て
意欲がわく
シラビソの針葉樹林の上に雪の綿帽子が乗る、その先に地蔵岳のオペリスクが突き出して見える。地蔵岳は白さが目立つ。
谷筋の開け地より富士山がドーンと大きい、山頂部に少し雪煙のような物が見える光の加減で先ほどとは違いはっきりと見えています。

緩やかなアップダウンの道で鳳凰小屋に着いた。周辺は30cmほどの積雪です。ドンドコ沢を登ったという3人がテント撤収の最中でした。
小屋前のベンチには地蔵岳ー観音岳を周回してきた青年が休憩中で観音からの下山道は1m以上のところまあって大変だったと話してくれた。御座石から日帰りだと聞きうらやましい限りです。元気に下山していった。

小屋の受付をして早速、昼食の準備をした。アルミ鍋の鍋焼きうどんです。つゆを入れて見ると漏れてきて、慌ててコッフエルに移し変えて事なきを得た。追加にうどんとテンプラと野菜も持ってきたので豪勢な昼食です。ビールは売っているがこの時期やっぱり焼酎のお湯割りが一番です。うどんをつつきながらお湯割を飲む、体が温まる。
夕食も一緒に済ませた感じになった。

今日の泊まりは一人だけです、予約はもう2人あったがキャンセルだった。昨日の雨では躊躇するのは分かります。テントもいません。
日曜日に泊まるとこんな幹事で慣れています。今日は小屋が営業していて大助かりです。
小屋晩餐がコタツに火を入れてくれ、暖かいもてなしをしてもらった。
2階の2段棚の上部に陣取ったが広いところに一人だけは寒いのに
ガラス窓から隙間風が吹き込むのでさらに寒い。そこで、窓際に毛布をぶら下げて予防した。

 
 
鳳凰小屋
テントが一張り
 
鞍部目指して急登の雪原を登る
右にはオペリスクが
11月19日 晴れ

6時に目を覚ますと、小屋番さんは地蔵に登ったらしく誰もいません。昨日の鍋焼きうどんの残りに、残りのおにぎりを入れて雑炊にする。寒さはさほど厳しくなかったためペットボトルの水も凍りついてはいません。7時過ぎ、小屋を出て山頂に向かう。 
シラビソの樹林はまだ薄暗い、やがてダケカンバの林に変わると一気に明るくまぶしいようになった。

斜面の雪原はもうすっかり雪山です。先行した小屋番さんの長靴の足跡がありがたい。昨日の強風でトレースはかき消されてルートを外すと踏み抜くだろう。風もなく絶好の日和です。オペリスクの岩頭がに迫ってくる。
前方にめざす鞍部が見えてからが厳しい登りが続きます。
ダケカンバの疎林が最後まであるが風雪に先端が折れたり枯れた物も多い。
雪、風に耐えてきた姿がたくましく見えます。
観音岳の肩に富士山が顔を出すが観音岳が大きく富士山は小さく見えます。
 
雪原を登る
観音岳の左側に小さく富士山が
 
小屋番さんに押していただいた一枚
 鞍部に出ると地蔵岳の山頂標識があった。セルフでシャッターを押そうとしていると小屋番さんがアカヌケ沢の頭から下ってきた。
シャッターを押してもらって別れた。鞍部に並ぶ何十体もの地蔵様も雪を被り頭だけを出していた。まもなく雪の布団を被るだろう。

正面に甲斐駒ケ岳が輝いているが次々とガスが立ち昇り、仙丈岳の姿は現れません。


 
まもなく雪に埋もれるお地蔵様たち
 
アカヌケ沢の頭で
何故か北岳、間ノ岳のみが時々
まぶしく輝いて顔を出す、
 小屋番さんの下った跡を追って登ったが結構な雪で私の足では股下まで潜るところもあった。 アカヌケ沢の頭に着くと。お目当ての北岳、間ノ岳、農鳥岳が正面飛び出すがガスの動きが早く、この三山以外は見えてきません。天気は好いのでガスが切れたときは北岳が輝く。

幸いにも北アルプス、後立山連峰はすっきりと見えていました。八ヶ岳は蓼科山はっきりと見え、北半分は何とか見えました。甲府盆地には厚い雲が立ち込めて東側は全く何も見えてきません。観音岳に向かってみましたが昨日の一人の足跡だけです、頻繁にガスで何も見えなくなります。鞍部に向かって下るところでしばらく様子を見ていたが諦めて撤退しました。
 
奥に見えるのは棚引く雲ではありません
北アルプス、後立山です
肉眼では良く見えています

アカヌケ沢の頭からのオペリスク
左には八ヶ岳が半分見えていました
 アカヌケ沢の頭に戻り、白鳳峠方向に進んでみました。15分ほど進んでみましたが同じような状態は続いて展望はだめでした。
地蔵岳の鞍部に戻り、オペリスクの直下まで登って、コーヒーを飲みながら時折見せる仙丈岳ー甲斐駒を見つめた。ついに仙丈岳ーアサヨ峰ー甲斐駒ケ岳が一瞬だけ勢ぞろいしました。その後には乗鞍岳をはっきりと確認できとてもすっきりしました。

日差しもあり、風もないのが何よりでぶらぶらと長居が出来ました。
今まで明るかった、登ってきた賽の河原にもガスが吹き上がって来たので下山を開始しました。

 
左から仙丈岳、アサヨ峰、甲斐駒ケ岳
一瞬の揃い踏みでした 

鳳凰小屋の冬季小屋
 
  下山は早いもので小屋まではあっという間に着いてしまった。小屋番さんは下りたようで鍵がかかっていました。次回のために冬季小屋を覗いてみると6人ほど止まれます、毛布が何枚かありました。水場は観音岳奉公に1分であり、ツララの下にしっかりと流れていました。
来た道を戻るので気楽な下山です。日帰りの人が一人登って来ました。
燕頭山で一休み、アイゼンも脱いで軽くなった足は気持ちよい。
御座石鉱泉に着くと、鉱泉宿に煙が立っているので誰かいるようだが温泉には寄らないで帰路に着いた。

紅葉のきれいなところで車を停めてシャッターを押しては進む。唐松林もまだ金色に輝いていた。
釜無川にかかる桐沢橋上で見る風景は見事です。上流には八ヶ岳を望み、下流には富士山を仰ぐ。川の左岸に沿って七里岩が横たわる、橋上でしばらく眺めてしまった。

思いがけない雪の多さに、観音岳を踏めなかったのが心残りだったが、
晩秋の陽だまり歩きと雪山歩きを同時に味わった山行でした。


御座石林道の紅葉
まだ十分に楽しめます